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2018年1回目の「いちえふ沖海洋調査」 – いわき海洋調べ隊「うみラボ」公式サイト
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2018年1回目の「いちえふ沖海洋調査」

みなさんこんにちは、ご無沙汰をしております、うみラボ研究員の小松です。

 

以前宣言したように、今年のうみラボ、福島の海のそもそもの魅力を発信しようじゃないか、純粋に釣りというものを楽しもうじゃないかという方向転換をすることになりまして、そういうイベントを企画もしてきたわけですが、本流の「海洋調査」もゼロにしてはいけない。やはりあの場所で情報をアップデートする、それを体感することも大事にしたいよね、ということで、、、

 

6月30日(日)、アクアマリンふくしまが行うサンプル採取にうみラボが協力するという形で、今年1回目のいちえふ沖海洋調査を行なってきましたので、その模様をこちらでレポートしたいと思います。写真は、うみラボ研究員の江尻による撮影です!

 

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いつもは原発近傍の5km圏内と、10km圏内の2箇所で釣りをしてましたが、今回は、原発に比較的近い10km圏内の大熊沖と、10〜20km圏内に当たる富岡沖の2箇所での釣りとなります。

 

乗船後は、私小松のガイドです。この辺りの歴史や風景について少しお話ししながら原発沖を目指します。到着すると、一般社団法人AFWの吉川さんからのレクチャー。汚染水について、廃炉のプロセスについて専門的なお話(でもわかりやすい)。魚を釣る前に廃炉について基本的な情報を押さえておこうというわけですね。

 

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この日のいちえふ、海から冷たい風が入り込み霧が出てました。原発事故直後は、「地下で再臨界している」「地下水が沸騰している」というような間違った話もSNSなどで散見されましたが、現場に来てみるとなんてことはないわけですね。強い温度差が生じると、こうして白い龍が登場します。ちょうどいちえふ沖に吸い込まれていくように帯、線状の雲が出来上がってました。

 

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吉川さんからのレクチャー。基本的なことから今一度確認しあいます。うみラボの船からの風景も、結構変わってしまいます。あれ、屋根の形あんなだっけなあ、あれ、あそこちょっと変わったなあ。そんなことを吉川さんが詳細に説明してくれます。廃炉に向けた工事が、少しずつでも着実に進んでいることを実感できるでしょう。

 

さあ釣りです!

 

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さすがは富原獣医。ビッグヒラメをあっけなくゲット!

 

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なんどもうみラボに参加されているM川さんはカナガシラに渋い表情

 

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初参加のこちらの方は、いやあ素晴らしいキツネメバルですね

 

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フリーライターとして活躍されているW部さん。見事なアイナメをゲット

 

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福島からきてくださったN本さんは、超良型のヒラメをゲット。素晴らしい!

 

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東京から参加してくださったI井さん。こちらも良型のキツネメバルをゲット

 

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釣りそのものが初体験という方でも大丈夫。バッチリ釣れます

 

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型の大きなカレイも釣れるのがこの海域。

 

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この日は良型のキツネメバルがよく釣れました。検体に回します!

 

順調に釣れているぞーと後半に差し掛かった頃、右舷からうぎゃああああああああという悲鳴が!

 

すわ、何事かを思って駆けつけると、恐怖の深海生物みたいなのが釣れ用としていました。

 

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うわああ、でかい。そして気持ち悪い!

 

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富原獣医によると「クロアナゴ」とのこと。マアナゴに比べると味が落ち、水揚げされてもほとんど取引されない「雑魚」のことですが、食べてみたらどうなんでしょう。あまり美味しくないとのことですが、すごいですね、こんなのが泳いでるなんて。うみラボ初となるクロアナゴでした。

 

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うみラボ史上最長サイズ。150cm超えのクロアナゴちゃん

 

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吉川さん、安定のヒラメ。腕を上げましたなあ。

 

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最高のアイナメ。常磐の宝ですね。この重み、重さを体感してほしいっ!

 

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M川さん、終盤戦でビッグアイナメを釣り上げて雪辱を果たす

 

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朝6時出発の長丁場。みなさんお疲れ様でした。

 

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釣果も素晴らしいものがありました。常磐沖の豊かさ。大切にしていきたいですね

 

この日は、ヒラメ、アイナメ、キツネメバル、ウスメバル、シロメバルといったところがメイン。狙い通りですね。やはりこの海域の状況を知るには、この海域に、あまり移動せずに、ここに居座り続ける魚を釣る必要があります。これら魚は、福島の海、原発沖の海を知るためには最上の魚たち。しかも本来は「食・べ・て・も・う・ま・い」魚たちです。今回は食べられませんが。

 

うみラボでは、やはりこの「福島第一原発沖で釣る」という行為を大切にしたいと思います。もちろんデータも重要ですが、それ以上に、これまでの考えや古くなった記憶をアップデートする効果があるはずです。空想の中にあった原発ではなく「目の前のリアルな原発」に更新される。そして、その目の前に、これほど豊かな海洋資源が存在している。そのインパクト。多くの学びがそこにはあります。改めて「いちえふ沖の釣りは格別だな」と思わされました。

 

さて、次のうみラボは、7月21日になります。いわき沖で「資源調査」を兼ねたカレイ釣りを行います。ぜひご参加ください!

 

小松けんきゅう員
小松けんきゅう員

うみラボけんきゅう員。釣るよりも食べるほうの専門。