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小名浜港でトゲクリガニを釣って計測してみた件 – いわき海洋調べ隊「うみラボ」公式サイト
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小名浜港でトゲクリガニを釣って計測してみた件

みなさんどうもこんにちは。うみラボけんきゅう員の小松です。

 

冬の釣り調査は八木けんきゅう員に任せきりでしたが、2月15日なんですが、私にも何か釣れるんじゃねえかと八木さんを無理矢理引っ張りだして小名浜港で釣り糸垂れてきました!! 遅ればせながら、今回はその模様をレポートします!!

 

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小名浜港。朝、7時。

 

さ、寒いいいいいいいいいいいい!

 

そして風強えええええええ!!!! 

 

もうですねえ、八木さんが隣で何言ってるかわからないくらいビュンビュン風吹いてて、釣りどころじゃない。こんなクソ寒いのに釣り人って釣りするんですか?

 

いやいやいや申し訳ない。釣り人である八木さんのおかげで冬期のうみラボの活動が続いているわけですからね、ほんと、八木太公望(釣りバカ)の功績はデカい。

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ご覧の通り、冬期のガチフル装備で獲物を狙う八木けんきゅう員。波の立ち方で風の強さがわかります

 

で、なんでこんな寒い日に釣り糸を垂れてるかというと、なんとですねえ、うみラボ、取材が入ったんですよぉぉぉNHKの!

 

ディレクター:うみラボの普段の活動を取材したいので、なんか釣りとかやってる風景撮れませんか?
こまつ:わがりましたぁ! いつも釣ってますからちょろいもんすよ!(八木さんなら何かしら釣ってくれっぺや!)

 

ってな具合で非常に安直に取材を受けてしまいまして、それで八木さんにお願いをして釣りに出かけたんですけれども、聞いたらこの時期って1年で一番なんも釣れねえ時期なんだそうですね。しかもこの風。港全体が揺れるような波が出てましてね、これじゃあ魚たちも奥の方に引っ込んでるだろうなあと。

 

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アイナメ狙いで岸壁の底を突っついて歩く八木けんきゅう員

 

カメラ回ってますからね、アイナメ狙いで八木さんになんとか託したわけですが、、、
釣れねえええええええええええええええ!

 

いや、八木さんの力を疑ってるわけじゃないっす。この天気と、ディレクターの無茶な要求がダメなんすよ! (いやいや見通し甘過ぎたおれが一番だめなんですががが)

 

そんなところで、救世主登場!!! オレたちの富原せんせい!!!

 

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そして釣り竿をセットして間もなく、

 

釣れたああああああああああああああああああああ!!!!

 

カニゲットォォォォォォォォォォォォォwwww

 

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ちっせええええええええええええええええええwwwww!!!!

 

富原せんせいに伺うと、これは「ヨツハモガニ」というカニだそうです。浅場の岩礁帯なんかでよく見られる普通種で、身体の鉤型の毛に千切った海藻を着けてカモフラージュする擬態の名手。たしかに! なんとなく貝殻とか石ころに見間違えそうな甲羅です。

 

いやあ、ヨツハモガニですか。今まではただの「小さいカニ」だったのに、こうして名前が与えられてその生態なんかを教えてもらうと、なんだかかわいく見えてきますね。こんな小さなカニにもしっかりと名前があり、そして特徴もあり、暮らしがある。うーん、すばらしい。

 

でもね、あたしゃ許さないよ。釣果それだけでいいんすか!!! 

 

ということで、再び釣り糸を垂れる、八木けんきゅう員と富原せんせい。

 

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あっちのほうで釣ってみっぺ! みたいな感じで2人が作戦会議を行い・・・・

 

5分後・・・・・・。

 

キタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

 

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カニィィィィィィィィ!!!!!!!!

 

でけえええええええええええええええええええwwwwww!!!!!

 

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でかい! いかにもカニらしい迫力!!

 

しかも毛ガニじゃん! 小名浜産毛ガニ獲ったどぉぉぉぉぉ!!!

 

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と思ったら、これ「トゲクリガニ」というカニだそうで、小名浜港にいっぱいいるんですって。いやあ、おれ小名浜生まれ小名浜育ちですけど、こんなうまそうなカニがいるなんて知んにがったぁ! 富原せんせいによれば、小さいものはみそ汁に、大きいものは茹でて食うと絶品なんだそうです。青森県では名産品として広く食されているみたい。

 

(で、こうしたやりとり、すべてNHKのカメラに収められてしまいまして、「釣りの下手くそなうみラボメンバーがクソ風の強い日に釣ろうとしてやっぱり釣れず、アクアマリンの富原さんが来たらカニが釣れて、うみラボはどうしようもねえなあ」みたいな仕立てで番組が作られておりますので、どうぞ皆さんご笑覧頂ければ。4月5日のEテレ「福島をずっと見ているTV」だそうです。)

 

で、このトゲクリガニなんですが、富原さんたちが後日さらにいくつか釣り上げまして、放射性物質の計測に必要な分を足した上で計測してくれましたので、その結果をお知らせします。今回は「身」だけでは無理ですので、甲羅も含めて乾燥させ、それを砕いたもので計測をしています。

 

スクリーンショット(2016-05-06 12.29.19)

 

で、計測の結果、納得のN.D.でした!!! 乾燥して量が減っている分、検出限界も少し高めですし、これじゃあ出ないよなという感じではあるのですが、そもそもカニやエビなどの甲殻類はセシウムを溜めにくい魚種でして、福島県沖ではすでに毛ガニ、ガザミ、ズワイガニ、ベニズワイガニ、ヒラツメガニが試験操業の対象になっております。もちろんすでに出荷もされています。

 

ですから、うみラボ的には「カニは出ない」ことはわかっていたのですが、こうして自分で釣って、そのうえで測ってみると、やはり安心感がありますよね。新聞やメディアなどでこうした調査結果は出てますけれども、やっぱり数字だけだとイマイチ実感がない。でもこうして実際に釣ってみる。魚の重みとか、その時の風の感じとか、いわゆる「身体感覚」として記憶されるというのが、かなり重要なんじゃないかと改めて気づかされました。

 

今年のうみラボ、この「身体感覚」に訴えるためにも、やはり「釣り」を拡充する必要があるかもしれません。ますます八木太公望が躍動しそうです。

小松けんきゅう員
小松けんきゅう員

うみラボけんきゅう員。釣るよりも食べるほうの専門。