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2017年6月は「調べ」からの「うみ」ラボ – いわき海洋調べ隊「うみラボ」公式サイト
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2017年6月は「調べ」からの「うみ」ラボ

 

皆さんこんにちは、うみラボ、5級けんきゅう員の小松です。今月はですね、いろいろありまして、調べラボを先にやって、月末にうみラボをやるというイレギュラー開催になってしまいました。普通は、うみラボ→調べラボの順番で、うみラボで釣った原発沖の魚を調べラボで測る、という順番なのですが、今回は、原発沖で釣った魚がないので、小名浜近郊で釣った魚を調べラボにて計測、月末に釣った魚の計測は7月の調べラボに回す、という感じになります。あしからず。

 

では時系列に従って、まずは6月18日に開催された通算25回目の調べラボの模様から。

 

小名浜港近郊で釣り上げたムラソイ、コウイカ、ドンコ(エゾイソアイナメ)、シロメバル、この4検体を測ります。シロメバルとムラソイは、まだ国の出荷規制がかかってるんで、試験操業の対象になっていません。原発から遠く離れた小名浜港産なので、まあ出ないだろうな、とは思いますが、ムラソイなんかはほとんど動かない魚ですし、検出されるかもしれません。気になるところです。

 

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富原獣医、情念の解体。この数年、計測のために数千尾は捌かれてきたんじゃないでしょうか。

 

子どもたちに大人気の耳石の取り出し&鑑定。これも立派な食育なんですよね。

子どもたちに大人気の耳石の取り出し&鑑定。これも立派な食育なんですよね。

 

計測した検体はこんな感じ。みんな小名浜港産です。

計測した検体はこんな感じ。みんな小名浜港産です。

 

計測風景。リアルタイムで、何一つ包み隠さずデータを出します。

計測風景。リアルタイムで、何一つ包み隠さずデータを出します。

 

アクアマリン吉田画伯による魚トリビア。これがまた勉強になんだよなあ。

アクアマリン吉田画伯による魚トリビア。これがまた勉強になんだよなあ。

 

ということのようです。

ということのようです。さすがの画伯の画力。放射性物質測るだけじゃない。魚を学ぶ場になってる。

 

この日の試食はたこ飯。ミズダコとマダコを食べ比べました。写真はミズダコのたこ飯。

この日の試食はたこ飯。ミズダコとマダコを食べ比べました。写真はミズダコのたこ飯。

 

なんだかんだで試食は大人気。あっという間に200食近くがなくなりました。

なんだかんだで試食は大人気。あっという間に200食近くがなくなりました。

 

計測結果ですが、ムラソイ、コウイカ、ドンコ、シロメバル、すべてN.D.(検出下限値以下)でした。画像をクリックすると拡大するのでデータを詳しく見られますよ。画像提供は @yajifun さん。毎度ありがとうございます。

 

スクリーンショット(2017-07-03 11.27.19) スクリーンショット(2017-07-03 11.27.41) スクリーンショット(2017-07-03 11.27.54) スクリーンショット(2017-07-03 11.28.09)

 

国の出荷規制がかかっているシロメバル、ムラソイも不検出でした。これらの魚、ほとんど移動しない魚なんです。だとすれば、原発沖のメバル、ソイ類が小名浜や相馬まで泳いでくる可能性は低いわけで、ならば、原発10km圏内などを除いた、いわき沖、相馬沖では、シロメバルやムラソイを解禁してしまってもよさそうな気もしますが、いずれにしても、時間が経てば排出も進みますし、代替わりもしますので、時間の問題なのかもしれません。

 

ちなみに、最近になってウスメバルの規制が解除になりました。福島県の魚介類で、国の出荷規制がかかっているのは以下の10種類です。ウミタナゴ、キツネメバル、クロダイ、サクラマス、シロメバル、スズキ、ヌマガレイ、ムラソイ、ビノスガイ、カサゴ。といっても残り10種類まできたんですね。原発事故当時とを思い出せば、福島の海はかなり回復が進んで来たといって間違いありません。

 

出荷規制=汚染、のイメージが強かったですが、出荷規制=汚染ではなく、出荷規制のかかっている魚でも回復が進んでいて、むしろ規制の基準が厳しすぎる?  というほうが考えるべき問題になってきているような気もしています。もちろん、出荷規制の解除や試験操業のあり方というのは、漁協の皆さんが慎重に慎重を期して決定していることですので、その判断を最大限尊重するのは大前提です。

 

では、6月24日のうみラボの模様を紹介して参ります。

 

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天候に恵まれましたが、少し霧が出てモヤってる福島第一原発。

 

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一般社団法人AFWの吉川さんによる解説! いつもありがとうございますっ!

 

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アクアマリンふくしま吉田さんの華麗なる採泥(しかし海流が強く採取できず)(南無)

 

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うみラボ共同代表、ぴっぽ八木さんの勇姿。

 

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今回は3キロのポイントから順調に釣果が出ました。写真はマゾイ。

 

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通算2回目の参加、S能さんが良型ヒラメをゲットォォォォ!

 

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この日はヒラメも豊漁でした。型がよく、刺身で頂たすぎましたね、、、。

 

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3キロ沖のシロメバル。最近は不検出が続いていますが、気になる魚種ですよね。

 

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超うまそうなアイナメ。釣りの腕関係なく、こうした魚が釣れるのが福島沖。

 

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AFW吉川さんもヒラメをゲット。食べて最高の大きさ。あまり大きすぎてもよくない。

 

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筆者も10km沖のポイントで大型ヒラメを釣り上げました。いやあキモティィィィィィ!

 

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うみラボ公認マダコ大使で、前回は「ヤマノカミ」を釣り上げたH本さんですがこの日はアイナメのみ。

 

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後半に富原獣医が釣り上げたこちらのクロソイはリリースされました。

 

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注射器で肛門から空気を引き抜き、口から出てしまった内臓を戻してリリースする富原獣医。

 

ここ最近のうみラボの変化としてもっとも大きいのは「検体が足りたらどんどんリリース」することです。調査なので、1匹でも多くを調査しようと思ってやってきましたが、不検出もかなり増えてきていますし、検体に必要な分だけ釣ったら、あとはリリースすることになりました。

 

それにしても富原獣医、さすがです。ソイ系、メバル系の魚は海底にいるので、釣り上げると、水圧がかからなくなって内臓が口から出てしまうんです。それだとリリースできないので、肛門から注射器を使って空気をひっぱり出して、口から出てしまった内臓を戻し、さらにその魚を海底にリリースするという芸当。すげえ。この人、本当に獣医だったのか(失礼)!!!

 

釣りというと、ケースいっぱいに釣りたいと思ってしまいがちですが、ここに戻ってきた宝物を、前と同じようにぜんぶ撮り尽くしてしまったら、せっかくの宝物を無駄遣いしてしまうことになります。だから、調査であっても、資源を守り、受け継いでいかなければならない。そのような思いから、うみラボでは、キャッチ&リリースを勧めています。

 

もともと釣りをやっていた人にとっては、リリースは悔しいことかもしれませんが、うみラボでは、福島の海の豊かさを守り、それを次世代に受け継ぐサステナブルな釣りを皆さんに提案していきます。たくさん獲ってたくさん測る、のではなく、適度に測り、海を知り、資源を守るというところまで持っていきたい。そして福島を、そんなサステナブルな釣りの聖地にできたら。そんな思いもまた忍ばせつつ、次回も調査を楽しみたいと思います。

 

ちなみに、今回釣った魚ですが、7月の調べラボで測ります。試食は「かつおの揚げ浸し」という説も出てきています。どうぞご家族揃ってアクアマリンふくしまにお越し頂き、ぜひ調べラボにも顔を出して頂ければと思います。アクアマリンでお会いできるのを楽しみにしています!!

 

 

小松けんきゅう員
小松けんきゅう員

うみラボけんきゅう員。釣るよりも食べるほうの専門。