第16回いちえふ沖海洋調査レポ
みなさんこんにちは、うみラボけんきゅう員の小松です。
6月5日。初夏の日差しに照らされながら、福島第一原発沖での海洋調査を行ってきました。南風が心配されたものの、移動も調査も問題なく終わりまして、一安心。船長さんのおかげで無事の調査となりました。少し日差しが強かったせいか、かなりヘバってしまいましたが、張り切ってレポートしていきます。
さて、アクアマリン富原獣医の見事な手さばきで海底土を採取した我々は、まずは2km圏内でサンプル魚の採取を試みます。今回のうみラボには、東京大学総合防災情報研究センターの関谷直也特任准教授が乗船されました。関谷せんせいは風評被害の専門家でいらっしゃいますが、釣りは今回がほぼ初めてとのこと。しっかりとレクチャーを受けて頂いた上で、魚の採取に挑戦です。
しかしですねえ、この日は海底の水温の問題かあるいは潮の流れか、序盤はかなりの苦戦を強いられまして、うみラボ全体的にしょっぱい釣果。なかなかスイッチが入りません。どうしたことか。やはり調査のための釣りということで、釣りのための釣りではないところに難しさがあります。
しかーししかし、船長の巧みな操船とポイントの見極めにより、3キロ沖に到達後は、巨大クロソイ(トップ画像)をはじめ、ヒラメ、アイナメ、シロメバルなどを順調に採取することができました。最終的には大満足の釣果となりました。いやあ、この巨大クロソイはヤバいです。船長も「震災前より確実に大きくなってるし量も増えている」とのこと。
いちえふ沖は、釣り人にとっての夢のワンダーランドとなっている模様です。
というわけで今回のうみラボ、終わってみれば爆釣でした。特に印象的だったのがクロソイですね。今回はよく釣れましたが、とにかくデカい。巨大化したクロソイを見て、やはりこの海は、この5年間で相当に資源が回復してきているものと考えられます。これだけ大きな魚がコンスタントに釣れるわけですから、素晴らしいですね。
しかし一方で、体が大きいということは、年齢もそれなりにいっているはずで、震災前の個体ともなれば、高濃度汚染水の影響が残っているものと推測できます。まあ沖合10kmのものはわかりませんが、近場のものについては、放射性物質も検出されるかもわかりませんね。どのような兆候になるのか気になるところです。
本日採取したサンプルは6月19日にアクアマリンふくしまで開かれる「調べラボ」にて、放射性物質を計測することになります。ぜひ皆さま、足をお運びください。詳しくはわかりませんが、次回も福島県産の魚を使った試食コーナーもあります。お楽しみに☆